
イ代表は同日、裁判長のチェ·ウンジョン部長判事が判決要旨を読んでいる間、椅子に背を向けて目を閉じていた。 以後、呪文が朗読されるや裁判所に向かって頭を下げ、判事らが全員退場した後になってようやく席を立って弁護団と握手しながら挨拶を交わした。
今回の裁判では故キム·ムンギ前城南都市開発公社開発1処長と関連したイ代表の発言が核心争点になるという展望が多かった。 裁判所が公訴状をより具体化してほしいと要請し、検察がこれに伴いイ代表の4回の放送発言の中で各々どんな部分が3種類の公訴事実に該当するのか明確に特定し公訴状を変更した点もこのような観測に力を加えた。
一方、ペク·ヒョンドン関連の発言は、2審で裁判所が大きく問題視せず、1審の判断を覆すほどの新しい証言も出ておらず、有罪維持の可能性が高いという意見が少なくなかった。
しかし、2審裁判部がペク·ヒョンドン関連発言まで無罪と判断したのは、公職選挙法条項を1審よりさらに厳しく解釈した結果だという分析が出ている。 特に裁判所はイ代表の発言を細部的に分けた後、それぞれが公訴事実に摘示された趣旨と解釈できるかと罪が成立するかを綿密に問い詰めた。

公職選挙法上、虚偽事実公表罪が成立するためには発言が単純な意見ではなく事実に関するものでなければならず、その内容も法が定めた対象である学歴·経歴·財産·行為などと関連しなければならない。 今回の判決で2審裁判所は大部分の疑惑に対して「行為に関する発言ではない」という理由で検察の主張を受け入れなかった。
ペク·ヒョンドン関連部分を見れば、1審はイ代表の国政監査発言全体を一つの公訴事実と判断したが、2審は「国土交通部の義務条項要求によりやむを得ず変更した」「国土交通部が職務遺棄を問題にすると脅迫した」という2つの部分に分けた。 以後、最初の発言に対しては公訴事実と同じ趣旨とは解釈しにくく、意見表明に近いため虚偽と見ることも難しいと判断した。 また、2回目の発言に対しては「『職務遺棄』で問題にするという脅迫を受けた」という発言は多少誇張されたことはあっても虚偽と見ることは難しい」と判断した。 「脅迫」の行為主体が国土交通部というイ代表側の主張もやはり受け入れられた。
金文基(キム·ムンギ)発言の部分もすべて無罪になった。 裁判所は「キム·ムンギの存在を知らなかった」という趣旨の発言と関連して、イ代表の4つの発言を3つの公訴事実に分けて判断した。 「城南市長在職当時、キム·ムンギを知らなかった」「キム·ムンギとゴルフをしなかった」「道知事時期に公職選挙法違反で起訴された以後にキム·ムンギを知った」等がその内容だ。
裁判所はこれらの発言が全て行為ではなく主観的認識に対するものであり処罰対象ではないと判断した。 検察は「キム·ムンギを知らなかった」という発言に対してイ代表が大長洞不正疑惑を受けるや開発事業実務者であるキム前処長との交遊行為を意図的に否認したと判断した。 しかし、裁判所は被告人の行為ではない主観的認識を虚偽と断定することはできず、交遊行為自体を否認した発言とも見られないと判断した。
1審で有罪と認められたいわゆる「ゴルフ発言」に対しても「『キム·ムンギとゴルフをしなかった』という趣旨と断定することはできず、全体回答の一部に過ぎない」と見た。 キム前処長とオーストラリア出張中に撮られた写真に対しても「10人が一緒に撮った団体写真の一部でゴルフをしたという証拠とは見難い」とし「写真原本の一部を剥がしたもので操作された資料である可能性がある」と明らかにした。
[カン·ミヌ記者]